高はしと首きり地蔵 〜石橋にまつわるふたつの物語〜
■ 香西の石の遺構「高はし」
「高はし(たかはし)」は、香西の旧道沿いに残る石造りの古橋で、かつては香東川の支流をまたぐ生活道として、多くの人々に利用されていました。
江戸時代の架橋とも言われ、職人の手によって丁寧に積み上げられた石組みが今も残り、香西の静かな歴史を伝えています。
橋のたもとに立つと、昔の人々の往来の気配すら感じられるようです。
■ もうひとつの石仏「首きり地蔵」
高はしの近くにあるのが、「首きり地蔵」。この名もまた、インパクトのある通称です。
一説によれば、かつてこの地で無実の罪で処刑された人の霊を弔うために置かれたとされ、その祟りを鎮めるため“首を切られた地蔵”という伝説が生まれたと伝わります。
■ 怖い話だけじゃない、癒しの信仰
現在の地蔵は、首が付け直された状態で安置されており、むしろ首から上の病にご利益があるとされ、受験や頭痛封じの祈願に訪れる人もいます。
地元では「ちょっと怖いけど、ありがたい地蔵さん」として親しまれ、子どもたちの間では“夜に行くと首が…!”といった怪談話の題材にもなっています。
■ 石橋と石仏の記憶をつなぐ
「高はし」と「首きり地蔵」。どちらも石でできた“道の目印”であり、“祈りの対象”でもあります。
人々の生活と信仰が重なった場所に今も立ち、香西の歴史と伝承を静かに語りかけてくれているのです。
📍ご案内メモ
- 所在地:高松市香西本町
- アクセス:香西駅より徒歩15分圏内
- 見どころ:石橋の構造、周囲の地蔵堂