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【香西歴史探訪 Vol.9】


奥の堂池と勝賀廃寺跡 〜水辺に眠る古代の祈り〜

■ 山麓にたたずむ「奥の堂池」

香西町の南西、勝賀山の中腹に位置する静かな池、それが「奥の堂池(おくのどういけ)」です。
この池は古くから地元の人々に知られ、山中でありながら湧水に恵まれ、農業用水や生活用水として活用されてきました。

「奥の堂」という名は、池のそばにあった古い仏堂跡に由来するとされ、修行僧や山伏たちがこの地を訪れたことを物語っています。


■ 勝賀廃寺跡:失われた大寺の記憶

奥の堂池のすぐ近くには、勝賀廃寺跡(かつがはいじあと)と呼ばれる遺構があります。
奈良〜平安時代に存在していたとされる大寺院で、現在は基壇跡や瓦片がわずかに残るのみですが、かつてこの山麓に大規模な伽藍が広がっていたことが考古学的にも裏付けられています。

この寺院は、讃留霊王や香西氏との関係性が指摘されており、香西の信仰と政治の拠点でもあった可能性があります。


■ 静寂の中に宿る霊気

現在の奥の堂池は、ハイキングルートの一部として整備され、静かな山歩きの休憩地として親しまれています。
水面には木々が映り、風が吹くと池面に小さなさざ波が立ち、まるで古の声がささやいているかのようです。

池の周囲には仏塔の礎石や、不動尊を祀った小祠も残り、今なお**「祈りの空間」としての静けさ**を保ち続けています。


📍ご案内メモ

  • 所在地:高松市香西西町 勝賀山中腹
  • アクセス:登山道を徒歩30〜40分(香西登山口より)
  • 見どころ:池、石碑、勝賀廃寺跡の遺構、仏塔跡

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